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2015年7月13日 2:55 AM

それでも怖い認知症

他人の名前をわすれたり、知ってるはずの語が出てこなかったりすることが
最近よくあります。とくにテレビに出てくる役者さんの名をしばしばわすれ
ます。最近も若尾文子さんの名前をわすれ、
「これ、だれだっけ」
と妻に尋ねて教えてもらいました。しかも、
「若尾文子も歳とったなあ」
などと自分の老化は棚にあげて他人のせいにしたのです。罪深い老年期です。
だが、最近の大失敗は旧友へのハガキでやらかしてしまいました。
秋田県の大館市に私と同い年の友人がいます。中学生のころは毎日一緒に野球をやった仲間でした。名は吉田一雄くん。いまは大館市の商店街で親代々の時計店を営んでいます。
御多分に漏れず同市の商店街もシャッター街化しましたが、吉田時計店は健在。おもに修理業で頑張っているらしい。かたわら地元の野球史を執筆、古い日本映画の会など主催してけっこう多忙のようです。不景気の時代にめげずコツコツと働いて親のつくった借金を全額返済したとのこと。浮き草家業のわたしなんか羨ましくなるほどの堅実な人生を送ったようです。
その吉田くんが先日近況報告のハガキをくれました。ちょうど多忙な時期だっ
たので何日か返事を出しそびれ、なんとか当方も返事を出しました。
ところが文中で大失策をやりました。「大館鳳鳴高の同期生たちも親しい仲間
が死んでしまったので、今回は同期会を欠席する」という意味の文章を書いた
のですが、大館鳳鳴高を鵬鳴高と書いてしまったのです。
鳳鳴校と鵬鳴高。一字の違いですが、自分の出身校を書くのに誤字を使うなどとんでもない話です。
書いた瞬間何だか変な気がしたのですが、考えても気付かず、ポストへ入れてから間違いをさとったのです。
「うわあ、えらいこっちゃ。ボケたと思われる」
私は大いに慌てました。
物書きがボケたら一巻の終わりです。「アベはもうあかん。再起不能や」とい
われかねません。
わたしは翌日吉田くんに電話をいれ、ボケたわけではない、単純ミスだと説明
しました。ところが吉田くんは落ち着いたもので、
「おらたちもそういう年になったということだべ」
と一向におどろきません。人生の終わりについての覚悟の違いを思い知らされた気分でした。
わたしはまだこの世に未練があってジタバタと動きまわっています。明日も河内の平尾城祉を取材に行く予定ですが、あまりに暑くなりそうでためらっています。
吉田くんの落ち着きが羨ましい。刺戟がないから落ち着いていられるのだとも思うけど、刺戟がないのは当方も似たようなもの。ロト7でも的中しないかしら。