mv

2012年12月18日 3:36 AM

たのんまっせアベ総理

衆院選で自民党が圧勝、第二次安倍晋三内閣が誕生する運びとなりました。字は違うけど同じアベなのでなんとなく応援したくなります。
自民党に大勝利させたのは、有権者の頭にバブル経済の思い出があるからでしょう。デフレ脱却、インフレ目標2%などとアベ総裁に云われると、自民党が政権を回復すればあのバブル景気が再来するだろうと無意識のうちに思ってしまうのです。
バブル景気は昭和61年の末から平成3年まで約4年間つづいたバカ景気でした。財テクブームと消費ブームが同時に加熱し、株式や不動産が高騰。経済は止めどなく拡大し企業は人材確保のため学生をハワイ旅行につれてゆく騒ぎでした。東京の山手線の内側の地価でアメリカ全土が買えるという試算が出る有様でした。酒場街はどこも大繁盛。座っただけで5万円もする高級クラブが満員だったものです。本もよく売れたし、わたしも調子に乗って北新地でバカな金をつかいました。いまや後悔しきりであります。
こんな思い出をもった有権者に期待されるのだから、総理も大変です。同じアベのよしみで、つい同情してしまいます。というより日本を今以上にガタガタにして、アベという姓に失敗者のイメージをつけてもらいたくない。鳩山とか菅とか野田とかいう一般の人たちは最近姓を呼ばれるだけでなんとなく肩身がせまそうです。一族と思われては迷惑です。
子供ならいじめの対象になるかもしれません。
小学6年で秋田の農村へ疎開した時、担任の女先生からわたしは「マキオさん」と呼ばれてびっくりしました。その村は150軒の家がありましたが、半分以上が阿部という家で、それまでのように「アベくん」ではだれのことかわからなかったのです。姓ではなく名を呼ばれたのは幼稚園以来のことで、落第したような気がしました。
大学生のとき野坂昭如さんから
「アベという苗字は一番最初に呼ばれるやろ。晴れがましくて良いなあ」
と言われて、なるほど優秀な人は違うと感心したものです。
学校の名簿はだいたい50音順です。秋山とか青野とかいう学生がいないと、当然アベはトップに呼ばれます。わたしは大学の頃予習などろくにしなかったので、先頭に指名されるのがイヤでたまりませんでした。阿部という姓を呪ったものです。
同じアベでも字は阿部、安倍、阿倍,安部の4種類あるそうです。わたしの親戚に安部君が一人いますが、あとは阿部しか知りません。
ものの本によると阿部姓は宮城県で多い順から4位に入るそうです。秋田県では佐藤、高橋、佐々木、伊藤、鈴木ETCときて阿部はベスト10にも入らないらしい。わたしの実家のある村からすると信じられない現象ですが、そんな偏りは珍しくないのでしょう。
阿部比羅夫、安部貞任,宗任など有力者の子孫が多いという人もいますが、わたしはそんな英雄豪傑の末裔ではありません。阿部家は江戸時代は郷士で、苗字帯刀をゆるされたとのことです。裕福な百姓が南部藩に金を払って士分に取り立てられたようです。
阿部姓が宮城県では第4位にランクされると知って、わたしはハハンと納得しました。去年仙台へ行った時、阿部姓の多いのに気づいておどろいたのです。司法書士、税理士、市会議員などの事務所に立つ標識になぜか阿部姓が多いのでした。
阿部姓の政治家や財界人は見当たりません。芥川賞作家に阿部和重という人がいます。
この人は山形県出身。小説のほか映画の脚本や評論もやる多才な人のようです。1968年生まれだというから、わたしより35歳も若い。間違いなく阿部という姓に良いイメージをつけてくれる人材です。
阿部姓でもっともポピュラーなのは巨人軍の阿部慎之助でしょう。今シーズンの働きはすごかった。しかし同姓なだけに「ジャイアンツの阿部」とは妙に呼びにくいのです。勝手に「慎之助」と馴れ馴れしく呼んでいます。まあ孫ほど年の違う相手だから、ゆるされるでしょう。
阿部という姓はちゃん付けで呼びやすいようです。若いころ酒場のママなどに「アベちゃん」と呼ばれたことがあります。でも、わたしのような愛嬌のない男にちゃん付けが似合うわけがない。ここ数十年、そう呼ばれたことはありません。
アベ総理にはなんとかこの国を建てなおしてもらいたい。「阿部一族」の一員として
心から願うものです。いや、それよりもわたしこそ、一族の名を汚さぬよう頑張らなくてはなりませんね。