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2011年3月28日 1:44 PM

センバツと大震災

選抜甲子園大会にわたしは反対だった。震災発生以来、被災地の惨状が毎日報道され、わたしたちはまとまった金額の寄付もできず空しく眺めているだけの自分 に負い目や焦燥を感じている。被災地の人たちは野球どころではないだろうし、わたしたちもこんな時期、大会に熱狂できるわけがないからである。

ところがわたしの出身校である大館鵬鳴高校が創立115年目で初出場するとあって、知らん顔もできなくなった。対戦相手は強豪の天理高校。まず勝ち目はなかろうが、応援にいくことにした。
大会二日目の第一試合。朝九時までに甲子園へ入るには七時に起床せねばならない。夜通し仕事して早朝寝る習慣のわたしにとって、これはちょっとした苦役で ある。おまけに前日は知人の通夜があって気分は沈鬱。さらに三月下旬とは思えない寒さ。出身校の出場を恨むわけにもいかないから、開催をきめた毎日新聞と 高野連に反感を覚えつつ出かけていった。
アルプススタンドの寒さは予想以上だった。冷えて全身をこわばらせて試合を見た。同期生が数名応援にき ているはずだが、案外の混雑でどこにいるのかわからない。仲のよかった同期生の未亡人が娘さんと一緒にきていたのに会ったので、ならんで観戦した。選手た ちは溌剌と動き、好プレーもあった。鳴り物禁止の応援団も元気で、わたしは次第に寒さをわすれ、試合に没入した。それにしても選手たちのなんと愛らしく可 憐に映ったことか。わたしたちもむかしはああだったとは信じられない。ら
3回裏、わたしは同級生をさがしがてら小用にいった。やや時間をかけて席にもどると、天理高が7点をいれていた。えラー絡みの失点だったらしい。事実上勝負はきまった。わたしはあらためてスタンドとグラウンドを見くらべ、感慨にひたることになった。