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2017年5月3日 2:21 AM

トイレの格差

 最近、トイレの男女格差がなくなったらしいです。妻の雑談情報によれば、
 新型の便器で小用をたすとき、男も腰かけ式で用を足す人が多いらしい。
 いやあ、日本男子もそこまで女性化したか、とわたしなどはガイタンするの
 であるけど、これが現代の風習の変化でありましょう。

わたしなんか、妻に
 云われて1度試したことがあったけど、(わたしは痔持ちなので)腰掛け式
 だとつい力んだ拍子に「大」のほうまで洩れそうになるのです。妻はこの話
 を披露して大うけしたらしいけど、わたしはブゼン。あれでわたしの書くもの
 は1割がた読者が減ったのではないかとウラミに思っているのです。
 それにしても日本人の暮らしは贅沢になったものですなあ。私は昭和20年の
 春、京都から秋田の農村へ疎開したのですが、父の実家は破産した大きな農家。
 便所は外後架でした。外後架とは母屋から離れた小屋式の便所をいうのですが
 最初この便所へ入ったときはひたすら寒くて弱りました。太い棒がそばにあり、  
 初めは意味が分からなかったのですが、やがて山盛りになった排出物をその棒
 で突き崩すためとわかりました。冬だから排出物はなかば凍っています。棒で
 突くと無事に崩れましたが、重苦しい臭気が立ち込めて、
 『ああ、はるばると来たもんだなあ」としみじみため息が出たもんです。
 後年、私は妻と同棲しました。場所は大阪市の城東区です。元農家でわたしたち
 の借りたのは土蔵を改築した別建築でした。そこの便所が外後架でした。
 母屋に小学2~3年の子がいて、智慧遅れの子で、客が外後架へ入るたびに戸の
 隙間から覗くのです。
 ある日、野坂昭如参さんが遊びに来ました。うちへ泊りました。智慧遅れの子が
 例によって覗きに行くか、期待して待っていたのですが、ギャーという悲鳴がし
 ばらくしてきこえてきました。当時から野坂さんは色眼鏡をかけていました。
 外後架の戸を細目に空けて覗いたところ、色眼鏡をかけたおっさんがニュツと顔
 を出したので、智慧遅れの子は失神してしまったのです。
 いまだったら起こり得ないことが起こったのです。わが青春は懐かしいね。