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2013年10月15日 2:27 AM

ホンマかね、日本人のアタマは世界一

10月9日付けの新聞にはびっくり仰天しました。日本人の成人の学力は世界一とある
のだから。
ホンマかね、とまず思いました。ついで、さもありなん、とうなずきました。日本の成人
の一人としてそれなりに心地よかったのです。新聞を読んで似たような心境を味わった人

は多かったでしょう。

それから記事を読みました。OECD(経済協力開発機構)とやらが、加盟先進24カ国
の成人を対象に実施した「国際成人力調査」で日本が一位だったのです。
調査は「読解力」「数的思考力」「ITの使用能力」の3部門で行われました。うち「読
解力」「数的思考力」では日本が一位。「ITの使用能力」では10位。平均して一位だっ
たようです。文科省は「基礎基本を重視する義務教育の成果」と胸を張っています。ただし
ITの習熟度については問題ありと認めました。
2,3,4,5位にはフィンランド、オランダ、オーストラリア、スウェーデンがきてい
ます。先進国のアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダは15,12,20,14,
10位と軒並み不振。ロシア、中国は不参加らしく調査結果がありません。韓国は11位で
す。日本に負けて地団駄ふんで口惜しがっていることでしょう。
でもアメリカは大規模な格差社会だからわかるとして、先進国の英、独、仏,伊の不振は
わたしにはきわめて意外でした。他民族の移住を認めたせいか、かつて植民地の宗主国

だったせいかなどと思案した末、記事を読み返してみたのです。
そして職業別の結果を見ておどろきました。日本では現場作業員とか農水産労働者(い

わゆるブルーカラー)の平均点が各国のそれとくらべてダントツに高いのです。日本の中

卒者の平均点は世界の高卒者とほぼ同じ。つまり日本人の「学力」が世界一なのは、工

員さんやお百姓、漁師さんの学力の高さに負っているのです。

かつて東北大震災の被害状況を現場で観察したおり、社会の基盤は肉体労働で成り立っ

ているのだと痛感しました。元気な労働者や自衛隊員にくらべて当方はいかにも役立た

ず。貢献のしようもないのです。歳をとってますます役に立たなくなりました。

いつか書いたことですが、小学6年で秋田の農村に疎開したさい、勤労奉仕の畑仕事で

オタオタして同級生から、
「マキオは勉強はできるども、サエズがまわらねえなあ」
とバカにされたことがあります。
サエズとは何のことか。懸命に考えて才知のことだとわかりました。つまり気が利かないと

いわれたのです。
冗談やないで、畑仕事なんか初めてなのに。わたしは大いに不満でした。その同級生が

勉強では劣等だったので、なお腹が立ちました。以来畑仕事、ひいては肉体労働が大嫌

いになったのです。あんなことはアホに任せておけば良いと浅はかにも思っていました。

ところがわたしたち日本男子は中卒のブルーカラーに支えられて世界一の快感に浸った

のです。大学卒のおかげではありません。大学卒だけで「成人力調査」をやったら日本は

何位になるのか、心細いかぎりです。学生時代遊んでばかりいた自分を顧みてそう思わざ

るを得ません。

ともかく大震災以降、肉体労働の価値を思い知らされてばかりです。歳をとってますます

サエズがまわらなくなりました。家事労働を妻に任せてきた罪滅ぼしに、掃除やゴミ出し

を手伝おうと思っても身体のふしぶしが弱って思うにまかせません。せめて毎朝ベッド

メークをするだけの情けない大卒なのです。