mv

2011年7月1日 2:29 PM

一万歩ウオーク

昨年春から毎日「10,000歩」を歩くことにしています。朝晩の食事のあと、朝5000歩なら晩も5000歩、朝7000歩なら晩3000歩という具合に分けてぶらりぶらりと歩くのです。
20余年前、腰痛の手術をした際に糖尿病であることが判明しました。以来、週に五日犬をつれて5キロずつ万博公園のグラウンドを走ってきました。おかげで糖尿病は完治もしないが、悪化もせず、まあ健康にトシをとってこられたのです。
ところが70代になると、ジョギングで腰が痛むようになりました。1000メートルも走ると痛くてたまらない。病院で診てもらったところ加齢で腰椎が変形し、神経を圧迫するのだそうです。
「ウォーキングにしなさい。このままでは車椅子でっせ」
お医者に脅かされて仕方なく一万歩ウォークに切り替えたのです。
最初はなんとも物足りなかった。走ることには英雄気分がつきまとう。どうや、おれこんなに頑張ってるぞ。得意な気分でウォーキングの人々をつぎつぎに追い 越してゆく。5キロ走破して、やれやれと安堵しながながらベンチで汗を拭く。一仕事終えた達成感は短編小説を一つ書き上げたくらいのものがあります。
ところがウォーキングにはそれがない。両手を水平に振ってオイチニ、オイチニと歩くのが正しい歩行なのだそうだが、アホらしくてあんなまねはできない。わ たしはぶらぶら自然に歩くことにきめました。ナチスや北朝鮮軍の歩行姿勢はひざを曲げずに足を棒のように突っ張って歩きます。どちらも滑稽です。わが自衛 隊は両手を水平に振って大またに行進します。わるくはないが、やや堅苦しい。私の知る限りカッコいいのはアメリカ軍の行進姿勢で、手の振り足の運びがじつ に自然で無理がないのです。ずっと昔、グレン、ミラーの伝記映画で感心したのを思い出し、わたしはアメリカ軍にならって、ごく自然に歩くように努めている のです。
ジョッギングはしんどくて景色を楽しむ余裕がない。1000メートル、2000メートルと距離を稼ぐので精一杯で、ふうふういってゴー ルにたどりつくのが通例でした。その点ウォーキングは悠然と景色を楽しむことができます。万博公園の外周道路や茨木カントリー沿いの道を歩いて、おれはい いところに住んでいるのだなあとゴキゲンになります。
ところが不都合が起こりました。ぶらぶら歩きすると、他人につぎつぎに追い抜かれる。べつ に競争意欲はないのだけれど、追い抜かれるのはやはり面白くない。それも同年配の年寄りや中年すぎのオバサンに越されるのだから、つい私も抜き返したるす る。年寄りやオバサンと良い勝負になります。
60代のころ、わたしは北新地の音楽バーで働いていたソプラノ歌手にいわれたことがあります。
「アベ先生、歩くの早いですね。梅田の地下街で見かけて追いつこうとしたけど、いくら頑張ってもアカンかった。センセー、待ってって大声で呼ぶわけにのいかへんし」
せっかちだから、わたしは早足だったのです。それがいまや同年輩の老人衆に置いていかれそうになる。トシはとりたくないもんです。とくに昨今のように暑くなると、いよいよゆっくり歩かざるをえない。
そ れにしても暑いですな。まだ六月末なのに、昨年の夏におとらぬ暑さです。ウォーキングの途中、飲料の自動販売機の世話にならずにはおられません。石原都知 事は自動販売機を電力浪費の見本にあげているが、自販器の多いのは日本の治安の良さあってのこと。半分くらいは撤去されても仕方ないが、炎天下走ったり歩 いたりする者の便宜を考えに入れるべきです。
炎天下のウォーキングで高速道路の美点を一つ発見しました。高速道路の下をくぐるトンネルは日陰で 不思議に風通しがよい。通り抜けるのが涼しくてまことに快適です。名神オアシスとわたしは読んでいます。近くに名神高速があるので、わたしはこの時期、北 から南へ名神をくぐり、右へ折れてこんどは南から北へくぐるのを繰り返しています。名神沿いに歩けば何度もくぐるチャンスがある。。コンビニへ逃げ込と涼 しいけど、なにか買い物をしないとバツがわるい。その点名神オアシスは気兼ねなしです。
一万歩ウォークを始めてから血糖値は正常。おどろいたことに血管年齢が5歳若がえりました。90歳まで行けまっせとお医者にいわれます。へたに長生きするとしんどいだけだと思うけど、とりあえずアルケ、アルケ、アールケ、アルケです。この歌みんな知らんだろうな。