mv

2013年4月2日 4:58 AM

中国に野球の流行る日

今シーズンのプロ野球開幕試合 巨人4-3広島 をテレビで観戦しました。巨人は宮
国、広島はバリントンの先発で緊迫した投手戦でした。
巨人は怪我で昨シーズンを棒に振った脇谷が8回殊勲打を放って逆転、山口らの救援で
逃げ切りました。新外人ロペスと村田のホームランも印象に残りました。
見ていてわたしはいろんな感慨にひたりました。
わたしが旧制中学へ入ったのは昭和21年。敗戦の翌年です。そのころからわたしは草
野球に熱中しました。まだ軟式だったけど、毎日放課後には小学校の校庭や寺の境内で
投げたり打ったりしたものです。野球をやっていると、前年に戦争が終わった解放感を
しみじみ味わうことができたのです。
小学校時代、わたしは軍国少年でした。2年生の12月に戦争ははじまり、最初は日本
軍が連戦連勝しました。教室に白地図が貼りだされ、日本軍が占領した地域を当番の生
徒が赤鉛筆で塗りつぶして大いに意気あがったももです。
ーー香港破りマニラ抜き
シンガポールの朝風に
いまぞはためく日章旗
前半の歌詞はわすれたけど、そんな勇壮な歌がにぴったりの気分でした。
だが、そのうち戦局は不利になり、日本軍の玉砕(全滅)の悲報があいつぐようになり
ました。おれたちもあと何年かすれば戦争に行って「お国のために」死ななくてはなら
んのだろうか。そんな恐怖が入道雲のようにむくむくと胸中にわいていました。級友同
士、戦争の話をすることもほとんどなくなったのです。
そして敗戦です。悔しかったけど、これで生命が助かったという安堵の念は日ましに
濃くなりました。旧制中学へ入ると銃剣道は全面禁止。男らしいスポーツは野球が第
一だったのです。
プロ野球が復活して日々スポーツニュースがラジオや新聞で流れました。
「巨人は5対0で勝ったぞ」
「阪神も3対0で勝ったぞ」
などとわたしたちは云いあいました。それは戦争中小学校で「香港破りマニラ抜き」と
歌ったのと同じ雰囲気だったのです。
戦争に負けてわたしたちは云わば男らしさを磨く場を失いました。野球は戦争、それも勝ち戦さの代わりにわたしたちを勇敢で真摯な気持ちにさせてくれたのです。
スポーツはルールのある闘争だといわれます。平和国家にあって男らしい感情を満たすのには野球、サッカー、水泳、スキー。なんでも良いのです。最近は女性でも男同様のスポ
ーツに精進する人が多くなりました。たとえ暴力コーチがいたとしても、戦争へゆくより
ずっとマシです。闘争心と体力が鍛えられて、競争社会を生き抜く能力がつくはずです。こういう意味で中国や北朝鮮に野球を流行らせたいとわたしは思うのです。
中国の子供たちが野球を覚えたら、かれらの英雄は毛沢東でも現代の習近平でもなく
中国の長嶋茂雄や王貞治になるでしょう。わたしたちが戦争を悪夢としか思えなくなったと同じように、共産党時代のことを悪夢と思うようになるでしょう。
野球はわたしたち軍国少年を、平和の大切さを知る日本人に育ててくれましました。同時に無法な侵略に対して猛然と反撃する勇気を与えてくれたはずです。あのえげつない隣国を
大人のつきあいのできる国に変えるのは野球が一番適任ではないでしょうか。
先日のWBCでは元大リーガーのコーチが中国チームの指導に当たっていました。
あれで強くなれば中国人も野球、さらには平和を愛好するようになるかもしれません。
いや、やっぱり無理でしょうかねえ。