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2012年5月25日 3:12 PM

公務員をやって良ガッタなあ。

5月20日から4日間秋田へ行ってきました。一番印象的だったのは同級生の某君の「ああ、むかし公務員をやっておいて良ガッタなあ」という言葉でした。
 21日は大館鳳鳴高校の同期会でした。同期生250名のうち52名が大湯温泉のホテルに参集、物故者(96名)追悼式のあと大宴会となりました。全員78~79歳のジイサマですが、よく飲んで思い出話が弾みました。
 翌 日午前9時に解散、私は親しかった同期生のH君が最近脳梗塞で倒れ、弘前のリハビリ施設に入所中なのを見舞いにゆきました。大湯温泉から弘前までは車で1 時間30分ほどかかります。わたしは運転ができないので、某君に車で運んでもらうことになりました。もう一人、東京でシンクタンクの所長をしているT君が 同乗しました。
 わたしたちは出発しました。なにしろ遠い道のりです。雑談しながら某君は運転します。地方でいつも感心するのは遠 距離運転の平気な人が多いことです。2時間ぐらいへっちゃらでハンドルを握ります。運転できないわたしなんか、地方ではとても生活できません。「田舎のす ぐそこは五里十里」というジョークがあったけど、いまは「田舎のすぐそこは2~3時間」という感じです。
 某君は高校を出て以来の自分史を語ってくれました。卒業後しばらく家業の菓子店を手伝ったようです。製造販売店でした。朝から晩まで働いて儲けはわずか。実家であるせいもあってろくに給料ももらわなかったらしい。
 これではイカンとなって数年後市役所に就職しました。入ってみると仕事はらく、定時には退所できます。もちろん給料はきちんと出ます。
 「何といいもんだなあ、公務員は」
 と感激したものだそうです。
  以後は楽しい思い出ばかり。旅行だの飲み会だの麻雀だのスキーだの大いに遊び、「悪たれてまわった」ものだそうです。グループで女の子をつれて八幡平へ登 り、頂上で雄大な山の景色を眺めながら、レコードをかけてダンスをやったこともあるらしい。今日と違ってそれ以上、淫らな展開にはならなかったようだけ ど、なんとも結構な思い出です。
 極め付きは某君が市の文化会館の運営担当だった数年だそうです。毎年の予算が何百万円とかで有名 人の講演や音楽家の演奏会をやったらしい。N響や読売交響楽団も呼んでコンサートをひらいたところ、お客の入りは半分くらいで赤字だったそうです。杉村春 子、ナベサダ、そのほか名前はわすれたけど、多数の有名人を招いたとのこと。多くは黒字でした。終演後、十和田湖や八幡平に有名人を案内して飲んだり食っ たりし、個人的に親しくもなったようです。そりゃ愉快だったでしょう。
「楽しがったなあ。公務員になって良ガッタ。おかげていまも年金で生活できるし」
 某君はしみじみと述懐しました。心の底から公務員生活をなつかしんでいるのでした。
 わたしは複雑な気分でした。
  大阪では刺青した公務員を橋下市長が強烈に批判しています。府市の事業がことごとく赤字を生み、財政危機に瀕した現実をよそに、のうのうと高給を貪ってい るとして現在大阪の地方公務員は攻撃の槍玉にあがっています。じっさい数々の不祥事やら勤務ぶりやら問題は多いらしい。財政再建のためリストラもやむを得 ない状況にあるようです。
 そもそも不況で民間のサラリーマンがみんな危機感にかられ、懸命にノルマ達成を図っている時期、公務 員はいかにも安閑として見えます。かつての某君のような公務員天国の住人に映るのです。橋下市長はそこを巧みに突いて、闘争心をむき出しにして財政再建や 合理化を図ろうとしています。
 橋下市長の目には、万事にどん底にある今の日本こそ改革に最適の時期を迎えていると映っているのでしょう。
 「公務員をやったおかげでこうして年金生活ができる」
 と某君はいっていました。危機感はまだまだ関西だけのものかもしれません。