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2016年10月17日 11:52 PM

呪われた文科人間                                           わたしはパソコンの画面に400字詰め原稿用紙を描き出してそこへ1字1字文字を打ち込んでゆきます。もちろん縦書き。むかしは  原稿用紙に鉛筆で書いていました。勢いがあった時分は日に15枚~20枚も書けたのですが、10年ばかり以前パソコンに変えて  からは日に5~6枚に減りました。以来注文も減って稼ぎは激減。もちろん出版社からパソコンに変えろと強制されたわけではなく、  世の変化につれて、書く方式も変えるほうが良さそうだと思ったからです。鉛筆書きが何ともジジむさく思われ、作品もジジむさく  見えそうだと気を回した挙句のことです。  もちろん私の作品が人気薄になったのをパソコンのせいにする気はありません。小説誌の編集部で新人の部員に作家の手書き原稿を  回覧させ、先輩部員が、   「おい、これがナマ原稿ってものだ。よく見ておけ」  と指導した話は耳にしたことがあります。なるほど、時代は変ったのだなあ。きいてわたしは感じ入り、パソコンへの転換に何の疑問  も感じなかったのです。  ところが使ってみるとパソコンは意外に不便でした。書き損なった原稿用紙の始末に困らなくなった代り、うっかりするとせっかく書  いた文章が消えてしまいます。つぎに漢字の処理が厄介です。「舞台となっているのは、財政再建団体に転落寸前の宮城県内の架空  の自治体、緑原町だ」これだけの文章でも、舞台、財政再建団体、転落寸前、宮城県内、架空、自治体、緑原町の七つの漢字(熟語)   があります。多少パソコンに慣れてくると、冒頭の舞台から末尾の緑原町まで一気に平仮名で書き、あとで変換キーを押して必要な  漢字に変えたくなります。ところがそれをやろうとすると、一度書いた平仮名の単語を一々消してまた漢字に変換しなくてはならない。  じつに面倒です。かといって、財政再建団体、に、転落、という具合に漢字にぶつかるたびに一々止まって書いてある平仮名を消し、  改めて平仮名の「読み」を書き込んで、変換のキ―を押さねばならず、物凄く時間がかかります。  変換にしても、例えば「へんかん」の一語には変換、偏官、返還の三通りあって選ぶのに案外手間がかかります。  そのほか普通の場合には縦書き不能、プロバイダーが勝手に出だしの操作法を変える、画面の原稿用紙の映像に書き込む場合、段差が  1文字、2文字勝手に下がったり、原稿用紙の枠から活字がハミ出たりします。パソコンに記憶できる漢字数が限られていて、時代物を  書くときには苦労します。以前にも書いたことだけど、例えば細川顕氏の顕はわたしのパソコンの漢字ストックにないので,覚束ない  手つきでIMEパッドを使う必要があります。  要はパソコンは平仮名、片仮名、漢字の入り混じった日本語の文章には向いていないのです。  奨学2年のときわたしは優等生から外されました。工作の評価が「良下」だったのです。あとの科目が「全優」でも「良下」が1つあれ  ば優等生になれないきまりでした。  私の母は模範的な教育ママでした。なんで長男坊が優等から外れたのか学校へ質問しに行きました。担任の女教師はガリ公だかガリ子だ  かの仇名がある眼鏡の、激痩せのオバサンだったけど、あの「良下」以来わたしは、自分は手先が不器用だと思い決めていたようです。  遺伝から云っても不器用は当てはまらない筈。理系の人々は今後重視されるようだけど、文系人間には向い風が呪いのように吹きつける  ようです。間

  先週、PCの不調でブログ更新が遅れたばかりなのに、今週も擦った揉んだしました。わたしはパソコンやスマホによくよく向いていない人間のようです。
 わたしはパソコンの画面に400字詰め原稿用紙を描き出してそこへ1字1字文字を打ち込んでゆきます。もちろん縦書き。むかしは原稿用紙に鉛筆で書いていました。勢いがあった時分は日に15枚~20枚も書けたのですが、10年ばかり以前パソコンに変えてからは日に5~6枚に減りました。以来注文も減って稼ぎは激減。もちろん出版社からパソコンに変えろと強制されたわけではありません。
 世の変化につれて、書く方式も変えるほうが良さそうだと思ったからです。鉛筆書きが何ともジジむさく思われ、作品もジジむさく見えそうだと気を回した挙句のことです。
 もちろん私の作品が人気薄になったのをパソコンのせいにする気はありません。小説誌の編集部で新人の部員に作家の手書き原稿を回覧させ、先輩部員が、 
 「おい、これがナマ原稿ってものだ。よく見ておけ」
 と指導した話は耳にしたことがあります。なるほど、時代は変ったのだなあ。きいてわたしは感じ入り、パソコンへの転換に何の疑問も感じなかったのです。
 ところが使ってみるとパソコンは意外に不便でした。書き損なった原稿用紙の始末に困らなくなった代り、うっかりするとせっかく書いた文章が操作の誤りで消えてしまいます。
さらに漢字の処理が厄介です。「舞台となっているのは、財政再建団体に転落寸前の宮城県内の架空の自治体、緑原町だ」これだけの文章でも、舞台、財政再建団体、転落寸前、宮城県内、架空、自治体、緑原町の七つの漢字(熟語)があります。多少パソコンに慣れてくると、冒頭の舞台から末尾の緑原町まで一気に平仮名で書き、あとで変換キーを押して必要な漢字に変えたくなります。ところがそれをやろうとすると、一度書いた平仮名の単語を一々消してまた漢字に変換しなくてはならない。
 じつに面倒です。かといって、財政再建団体、に、転落、という具合に漢字にぶつかるたびに一々止まって、書いてある平仮名を消し、改めて平仮名の「読み」を書き込んで、変換のキ―を押さねばならず、物凄く時間がかかります。
 変換にしても、例えば「へんかん」の一語には変換、偏官、返還の三通りあって選ぶのに案外手間がかかります。
 そのほか普通の場合には縦書き不能、プロバイダーが勝手に出だしの操作法を変える、画面の原稿用紙の映像に書き込む場合、段差が1文字、2文字勝手に下がったり、原稿用紙の枠から活字がハミ出たりします。パソコンに記憶できる漢字数は限られていて、時代物を書くときには苦労します。以前にも書いたことだけど、例えば細川顕氏の顕はわたしのパソコンの漢字ストックにないので,覚束ない手つきでIMEパッドを使う必要があります。
 要はパソコンは平仮名、片仮名、漢字の入り混じった日本語の文章には向いていないのです。
 小学2年のときわたしは優等生から外されました。工作の評価が「良下」だったのです。あとの科目が「全優」でも「良下」が1つあれば優等生になれないきまりでした。
 私の母は模範的な教育ママでした。なんで長男坊が優等から外れたのか学校へ質問しに行きました。担任の女教師はガリ公だかガリ子だかの別名がある眼鏡の、激痩せのオバサンだったけど、彼女にもらった「良下」以来、わたしは自分は手先が不器用だと思い決めていたようです。そのうち本物の不器用ジイサンになったというわけ。
 遺伝から云ってもわたしに不器用は当てはまらない筈。理系の人々は今後重視されるようだけど、文系人間には今世紀、向い風が呪いのように吹きつけるようです。