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2015年4月15日 1:12 AM

年寄りはゴーマンである

4月13日はKBS京都ラジオのの関係者の面々と久しぶりの懇親会。会場
はわたしの希望で京都の神泉苑の{平八」になりました。
KBS京都ラジオで週に2回、十年近くキャスターとつとめたのは20年ほど
前のこと。いまだにわすれず懇親会をやってくれるなんで普通ならありえない
ことです。
感謝の念にかられて出向きました。午後6時30分集合のはずが、6時10
分前に京都駅へ着いてしまって、暇つぶしに駅の南側のアヴァンザへ入りま
した。アヴァンザの5階は大型の書店で、番組をやっていた当時はしばしば
利用したものです。べつだん目当ての本があったわけではないが、行ってみると欲しい本が数多く

ありました。あと何年生きられるかわからない身には、買っても無駄遣いしかな

らない宝の山でした。しかし結局2冊、5000円ほと買って、つくずくわたしはゼニ

の貯まらない男だと慨嘆したのです。

雨のなかを集合場所へいきました。神泉苑は平安時代から鎌倉時代にかけて天
皇や公家衆の遊覧地だったところです。
かつては二条城の敷地を含む広大な地域だったそうです。いまは二条城の南に
その一部が残り、凝った庭園を眺めながら和食を食べられる店になっています。
じつは書いている小説のなかに大塔宮と楠木正成が二人きりで神泉苑の池の舟
に乗って足利尊氏打倒の密議を凝らす場面があるので、一度神泉苑を見ておき
たかったわけです。いってみるとKBS関係者はさすが京都の住民で神泉苑を
熟知しており、初めて見物するのはわたしだけでした。
床の間に戦国期の甲冑が飾ってある部屋で会食しました。畳に椅子テーブルが
並んでいるのは見学者に年寄りが多いせいでしょう。ほんの切れ端とはいえ、池
を囲む木々の濃淡の緑色、散り始めた桜のこれも濃淡のある花の色、青い池の水
対岸の古い和風建築など、凝った配色で神泉苑の雰囲気がよくわかりました。
料理は手の込んだ京料理。むかしはチマチマした京料理が物足りなかったけど、
いまやわたしもけっこうな老人。京料理で満足するトシになりました。久しぶりの会食
で気分が良く、医師の禁酒令はおいといて、わたしは少々ビールを飲みました。いや、
少々のはずが、ややすすんだかもしれません。
禁酒1年ともなるとすぐに酔って話が弾み、書斎に籠りきりではアカン、認知症
になると自戒させられました。もともと多弁ではないが、最近は沈黙勝ち。これ
でよくラジオノキャスターがつとまったものだとわれながら一驚しました。
食事のあとは長年の馴染みである音楽酒場へ。シャンソンやタンゴにピアノのナ
マ演奏と歌手の歌が売り物の店なのに、最近は月曜日はカラオケ方式だとのこと。
シャンソンやタンゴは退潮気味で、月曜のみピアニストも歌手もリストラしたのです。
そういえば本の売れない時代です。シャンソン,タンゴも小説同様落ち目なのか。
落胆するわたしに引き替え、さすが放送関係者は座の盛り上げ方がうまい。カラオ
ケでけっこうノリが良くて、赤ワインのせいもあってわたしも気分回復しました。
店は貸切状態。ひさしぶりで多人数の楽しみ、集団の楽しみを味わいました。
ところが今朝起きたら腰が痛くてマイリました。腰痛体操をやって直ったはずなのに
長時間椅子に腰かけたせいか、禁酒を破った罰なのか、痛くて歩行に不自由するほど
です。やはり大勢で騒ぐことはガラでもなかったのかもしれません。
とたんに今週身体の手入れに行かねばならぬ病院やクリニックを思い出してうんざり。
そこへ高校の同窓会設立100周年祭や同期会の通知。連載の締切りなどが重なって、
老人なりの多忙がよみがえりました。
老人の心得は義理欠きを怖れぬこと。岸信介の提言です。都合よく岸氏の一語を思い
出しました。ゴーマンかもしれないけど、このさい岸氏にならって義理を欠くことにい
たします。悪しからず。