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2016年1月12日 3:31 AM

成人の日

1月15日は成人の日。最近までわたしはそう信じていました。ところが
2000年からハッピーマンデー方式とやらで1月の第2月曜ときまった
らしい。テレビがやたらと「今日は成人式」というものだから、妻に確か
めたら、今年の成人式は1月11日だということでした。
「あんた、ボケできたんと違うの。 日にちを間違えるなんて」
「いや、まだボケてはおらん。ブログをちゃんと書いてるやないか」
そんな問答のすえ、間違えた真因に思い当りました。
わたしがサラリーマンをやめて文筆業になったのは昭和42年の末でした。
以来約50年、曜日に関係のない生活をしてきたのです。今日が日曜だろ
うと月曜だろうとわれ関せずで済みました。成人式が1月の第2月曜に変
わったところで痛くも痒くもないのだから、間違って当然。正確に記憶し
て要るほうがむしろ変なのです。
しかし、わたしの時代の成人式とはなんという変わりようでしょうか。
テレビではどこかの式場の模様が映っていました。女の子は例外なく華や
かな振袖姿です。妻の解説では買えば一人前100万円はくだらないそう
です。貸衣装でも30万円ぐらいするらしい。アホやなあ、とわたしたち
は慨嘆します。自治体主催のつまらん成人式にそんな費用をかける神経が
わからない。本日をもって公式に成人となり、酒、たばこが自由になるの
がそんなに記念すべきことなのか。自治体の形式だけの祝賀がそんなにう
れしいのか。
ガラになくわたしは平凡な正義感にかられました。私が20歳のころは大
学1年生で、秋田県鹿角郡八幡平村の役場から案内が来ていました。わた
しは京都へ出ていたから、村の成人式になど関心がありませんでした。妻
は山口県の出身でやはり国元の自治体から案内がきていたそうですが、学
生だったので同様に関心がなかったようです。
あとで記念写真を見ると、むかし疎開児童に意地悪をした連中がバカ真面
目な顔でならんでいて、写真から垢じみた体臭が立ち上るような気がした
ものです。女の子が晴着だったかどうかは覚えていません。女の子に一番
興味がある年齢なのに覚えていないのは、わたしが疎開先の村に早々と絶
縁の感情をもっていたからでしょう。
自治体の催しというだけでわたしは出席の気をなくしました。高額の旅費
と時間をかけて出席するには値いしない催しと思われたからです。雁首を
ならべた同級生らにも、奇異の念に打たれました。彼らは悪ガキでした。
性的な俗語をまき散らし、
「××男先生と○○女先生は山でへっぺした」
などと臆面もなく叫んでいたものです。そんな連中が、自治体の催しには
純朴な顔を揃えているのです。農村の自治体の催しは地元の農民のための
催しであり、都会へ出てサラリーマンになる気で勉学中の者は相手にしな
いようでした。
テレビを見ておどろいたのは、新成人となった都会の男女が田舎の悪ガキ
上りの青年たちと同様、素直に式に出席していることでした。つまり60
年前の農村青年と、いまの大都会の青年は自治体に対する意識の点で同等
だということです。
おまけに今年から選挙の成人年齢が最低18歳に引き下げられます。大丈
夫かね。成人式を見る限りわたしは危惧の念にかられます。それでなくて
も現議員には頼りないのが多い。
パンツ大臣だの幼いおかま買いの議員だの国会をサボッて男性秘書と温泉
に行った女子議員だの妻子のいる議員と路上でチューしたした未亡人議員
だの、程度の低いのが数多くいます。選挙年齢を若くしてもっとたちの悪
いのが選出されることにならんでしょうか。
いや、考えてみると、彼らをえらんだのは今の有権者です。18歳以上に
引き下げられた新有権者は関係ない。
求める夫は年収1000万以上とか貯金5000万とか、晴れ着姿の成人
女性(美女に非ず)が勝手な熱を上げるテレビを見ながら、この娘ら何人男
を知っているのかと考えました。むかしは成人になった男は式が済むとすぐ
に先輩の案内で女郎買いにいったものだけど、いまはそんな美風もなくなっ
たようです。男は企業戦士を気どり、女はつかの間のスターを気取る。
成人式ならぬ性人式。昭和は遠くなりましたな。