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2014年9月30日 3:33 AM

目利きの時代

大相撲は幕内力士42名のうちモンゴル人が13名。ほかにエジプト、ブラジル、
ブルガリア、中国各一名がいます。つまり幕内42名中17名が外国人というこ
となのです。
すっかり国際化して「なにが国技じゃ」と思わせる編成です。わたしは興味をな
くしてここ数年テレビ中継さえろくに見ませんでした。かつでは相撲茶屋の女将
と知り合いだったこともあって、春場所ごとに前半1日、後半1日升席を買って
見物したものです。北の湖、千代の富士,若貴兄弟、曙、武蔵丸の全盛期でした。
ところが今場所、新入幕に途方もない大物がいるときいて、14日目に久しぶり
でテレビ中継を見ました。

そして逸ノ城に初対面し、驚嘆しました。新入幕力士が横綱白鵬と結びの一番をとる

のですからね。

逸ノ城はこの日まで鶴竜、豪栄道,稀勢里を連破し、勢に敗れただけの12勝1敗。14日

目に勝てば100年ぶりの新入幕優勝に近づのだそうです。

白鵬にはさすがに勝てなかったが、15日目に白鵬が黒星なら12勝2敗同士で優
勝決定戦が行われるはずでした。世の中そうは甘くなくて白鵬が14勝1敗で31
度目の優勝。しかし逸ノ城は安美錦に勝って13勝2敗。来場所は一気に関脇昇進
を予想されています。

まだ21歳。身長192センチ、体重200Kg。ますます大きくなるでしょう。
千秋楽の日、逸ノ城は支度部屋で白鵬の勝負を見守っていました。もし白鳳が敗れ
たら13勝2敗どうしで決勝戦になるのです。白鵬が勝ち、優勝を決めた瞬間、彼
はニタリと笑いました。決定戦のチャンスを待ちかねていた風情でした。あの図太
さには肝をつぶしました。なんだか常識外れのスケールの大きさです。
モンゴル人でも彼は遊牧民の出身だそうです。一定の場所に居住せず、羊をつれて
ほうぼうを移動して暮したそのです。馬乳を毎日2リットル飲んで成長しらそうな。
鳥取北高校へ相撲留学し、数々ノタイトルをとって2014年1月初土俵。以来4場所
で入幕をはたしたそうです。今後壁にぶつかることもあろうけど、いまから横綱の
呼び声のかかる大物であります。
テレビ中継ながらわたしは場内の喚声の大きさ、観客の目の輝きに圧倒されました。
彼ガモンゴル人であることになど、だれもこだわっていないのです。大相撲の国際化
は本物です。出身国がどこだろうと、大物、怪物の出現にみんな喜んでいます。
だれもが歓呼して逸ノ城を迎えていました。わたしもケチな民族主義をすてて、怪物
の出現に歓喜させてもらいます。逸ノ城がかの朝青竜のようにハチャメチャな横綱に
ならないよう祈る心境になりました。
各相撲部屋には外国人1人というきまりがあるようです。今日のモンゴル勢の進出
は各部屋が「国技」の念など無視して有望力士のスカウトに精を出した結果でしょう。
野球に話題を変えると、リーグ優勝の巨人軍は昔から資金に任せて他球団のエース
や4番打者を引き抜いて強化されてきました。今シーズンの優勝も杉内、大竹、村田
、片岡、井端ら他球団からの引き抜き選手の働きによるところが大でした。巨人贔屓
のわたしとしては忸怩たるものがあったけど、歓呼を浴びる逸ノ城を見てなんだか安
心したのです。
野球も相撲もいまやスカウト時代なのです。出身地がどこだろうと問題になりません。
偉材を発掘した目利きの人や企業がが良い思いをするのです。
ガキのころスカートめくりが流行ったけど、考えてみると実りのない遊びをやったも
んですね。「ウ」と「-」の一字違いで天と地の違いです。気がついていたら、わたしも

なにかの目利きになっていたかもしれないのに。まあ、いまとなっては万事が例によって

手遅れですが。せめて馬乳をさがして飲んでみますか。