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2011年8月11日 2:30 PM

真人間

セミの合唱↓

病後の体力回復のため5~6日前からウォーキングを再開しました。この暑さ熱中症が怖いので朝6時に起き、万博運動公園まで妻に車で運んでもらって一緒にグラウンドを歩いています。2000歩から始めて5~6000歩まで回復しました。
おかげで生活の時間帯が変わりました。わたしはこれまで午前11時~12時起床、夕刻まで仕事、ウォーキングなどをして夕食、野球中継など見物しつつ「昼 寝」、午後11時ごろより書斎に入って朝まで仕事という時間割でやってきました。完全な夜型です。約40年間それでやってきてまったく支障はなかったので す。妻のほうは一般人と同じ時間帯で暮らして、わたしがあまり市民生活の枠をハミ出さないよう調整してきました。
つまりわたしはこの一週間、 40年ぶりで一般市民と同じ時間帯で生活するようになったのです。早朝の空気をを吸ってセミの合唱を聴きながら樹木の豊富な万博グラウンドを歩いている と、真人間になった心地になります。まして妻が一緒です。わたしたち夫婦は相互不干渉をモットーにやってきたので、一緒にウォーキングするなどなんだか照 れくさい。ガラにもなく善良なおとうちゃんを演じている気がして落ち着きません。
真人間になってまず気がついたのは、妻とわたしの体質の差でし た。これまではわたしが寝室に入るのとほとんど入れ代わりに妻が起きて寝室を出てゆきました。長時間ともに寝室にいることはなかったのです。ところがわた しが日付の変わらぬうちに寝室に入り、朝まで眠るようになるとクーラーの温度調節が厄介です。妻は27度が適温ですが、わたしは寒くて目がさめます。29 度がわたしの適温ですが、妻は暑くて眠れないという。28度で折り合いをつけましたが、45年間夫婦をやってきて初めて体質の差を痛感しました。妻のほう はとうに意識していたかもしれないけど、わたしは自分の鈍感さに一驚しました。
ふつうのお宅でもクーラー戦争はあるかもしれないけど、45年後に初めて勃発するのはきわめて稀ではないかと思うのであります。
真人間たるわたしは朝食後昼まで、昼食後夜まで仕事します。夕食後は野球などを見て寝てしまいます。だが、真人間には誘惑が多い。いまわたしはパソコンで エッチラオッチラ原稿を書いていますが、まちがいなくキーを打つのと文章との双方に神経をつかうので、2時間も書くとぐったり疲れます。まして現在は病み 上がり。仕方なく息抜きにテレビを見ます。ときあたかも高校野球のシーズン。つい何十分か見てしまいます。高校野球には個を犠牲にして全体のために貢献し ようという大和魂が残っている。なつかしくて見惚れてしまいます。そして何十分かのロスにあわてるのです。深夜なら疲れるとCDで音楽を聴いて休みがとれ る。テレビがなんといっても有害です。
きのうなどは朝9時から国会中継を見ていたら、参院予算委員会で最初に登場した民主党議員が
「なでしこジャパンだけでなく元大関魁皇にも国民栄誉賞を与えるべきだ」
などといっていて、アホらしさに怒りをおぼえました。こんな連中に税金から歳費を払っているとはね。
ほかにセールスの電話があったり、宅配便が届いたり、昼間は仕事の邪魔が入ります。やっぱり物書き業は本来、夜型のやくざ稼業なのだろうなと納得しつつある現状です。
小説家はなにより個性的であらねばなりません。科学者や各方面の学者とちがって小説作品は作者のパーソナリティから独立しえないからです。考えてみるとわ たしは学生時代から夜更かし型でした。世間並みの習慣に染まらず個性的でありたいと無意識のうちに心がけていたのかもしれません。自分がけっこう俗っぽく 欲深い小市民であることを知っているから、せめて他人とは違う生活スタイルをとろうとしていたようです。車の運転ができないのもゴルフをやらないのもその せいらしい。
小説家であるためには真人間でないほうが良いようです。体力が回復したらわたしはまた夜更かし型にもどるでしょう。