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2013年3月7日 12:48 AM

若者よ、たまには怒れ

尖閣諸島をめぐる挑発行為が一段落したと思ったら、今度は大氣汚染の垂れ流し。まったく中国ははた迷惑な国です。
しかも自国の非は絶対にみとめません。自分たちの願望がそのまま現実にならないと気がすまないです。これは韓国、北朝鮮も同様。話にも何もなりません。
週刊誌はしきりに危機感をあおります。「習近平は本気だ」「北朝鮮国連脱退へ」などいまにも戦争が始まりそうな見出しを掲げます。
わたしたちは「まさか」と思う反面、もし戦争になったらどうしようかと、深刻な不安にかられます。局地戦なら日本は圧勝できるらしい。最近青島に配備された中国の空母も旧時代の遺物で戦力にはならないそうです。
しかし中国も北朝鮮も核兵器をもっています。数発ミサイルで撃ち込まれたら日本は回復不能の打撃をうけるでしょう。わが海上保安隊および海上自衛隊は一触即発の線上で神経を張りつめた日々を送っているのです。わたしたちが子供のころ歌った「兵隊さんよありがとう」という歌がなつかしく思い出されます。
肩をならべて兄さんと、今日も学校へ行けるのは
兵隊さんのおかげです、お国のために、お国のために戦った
兵隊さんのおかげです。
現在尖閣諸島の警備に当たっている海保、海自の将兵の緊張しきった日々を思いやる人は少なすぎると思わざるを得ません。
そして、わたしは夜テレビを見てあきれるのです。昨今の、とくに若者向きのテレビの番組のくだらなさはひどいもんです。お笑い芸人のバカ笑い、八百長くさいクイズ番組、次から次に性懲りもなく見せつけられるグルメ番組。これがいま中国や北朝鮮から喧嘩を売られている国のテレビなのだろうか。国の直面している深刻な現実と、若者向きおちゃらけ番組の乖離。むかし評論家の大宅壮一はテレビを評して「一億総白痴化」と云いました。その通りです。最近は白痴化の対象が若者にしぼられた感があります。若者の政治的関心が希薄なのは「白痴化」番組のせいが大きいのではないか。
先日、某テレビ局のOBと酒を飲みながら、わたしは以上のようなオダをあげ、白痴番組をケナしていました。するとそのOBはにやにやして、
「自衛隊員のよく見るテレビ番組はなにかを調べたら、アベさんの云う白痴番組が一番でしたよ」
と教えてくれました。
うーんとわたしは唸りました。激務の自衛隊員は、くつろぐときは肩の凝らない番組を愛好するようです。わたしだって病気のときや疲れきったときは、ぼんやりとテレビに顔を向けてなんの批判もなく白痴番組を見ます。
考えてみるとわたし自身、若いころは政治に無関心でした。新聞は文化欄とスポーツ欄しか読みませんでした。われわれ若い者がいくらなにを主張しようと、デモをやろうと、堅固に構築された世の中の仕組みが変わるわけはないと見切っていたのです。なにをやろうと自己満足にすぎず、社会の上層部を動かせるわけはないとあきらめていました。民青のメンバーである友人もいたけど、マルクス主義という一つの武器で森羅万象すべてを斬りまくれると信じている男には同調できなかったのです。
幕末ものを読んだりテレビで見たりすると、あの時代の若者がどんなに溌剌としていたかがよくわかります。行動すると藩政なり国政なりに改革をせまることができました。刀を振り回せば手応えがありました。いまは社会が大型化して、若者がちょっとやそっと暴れてもなにも変わりません。わたしたちの若いころからそうでした。
若者はだれもが身辺の事柄で手一杯です。自分の進路をきめなくてはならないし、人並みの生活もしなければならない。彼女も欲しいし、友人も必要です。国の現状が不満で声高にさけんでも、だれもまともにとりあげてくれない。2チャンネルへの投稿がせいぜいです。白痴番組を見てバカ笑いするしか仕方がない立場なのです。
努力して階層のステップをのぼり、一定の発言力を持つ以外に充実の道はないのです。でも、たまには尖閣諸島や竹島の報道を見て怒ったりガックリしたりするのも必要です。人間は鍛えなくてはなりません。無責任なことを云うと、徴兵制の復活ほど良い鍛錬期間はないようです。韓国の国力の充実ぶり(最近はあやしくなりましたが)のモトは徴兵制にあるという論議にわたしは80%同意しています。
尖閣列島と白痴化番組。相容れない両面を日本はもっています。が、それは国家の成熟というものであり、ふところの深さであり、民主主義国家の美点であるとも思えてきます。いざというときは国民が一つにまとまって外敵に当たる国。そう楽観して悠然と構えるのが適当かもしれません。

それにしてもテレビ局OBの一語でわたしは青年時代の心理状態を思い出し、謙虚になりました。国の行く末が気になるのは加齢の証拠かもしれません。つくずくそう思うのです。