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2016年12月26日 12:33 AM

茨木は暖かい街

 最近、持病の小脳変性症が進行して、歩くとふらつくようになりました。小脳変性症は徐々に小脳が退化して運動神経をやられ、ふらつきから始まって徐々に動けなくなり、ついには寝たきりになるという難病です。発症以来寝たきりになるまで10年かかると聞いて安心していたのに、早目に進行したのでわたしも少々慌てました。
 

小脳変性症は原因不明。歩けば進行が止められると勝手に解釈して、毎日4~5キロずつ飼い犬を連れて歩いていました。ところが風邪を引いて2~3日歩くのを休んだだけで難病が進行したらしく、ふらつくようになったわけです。
 4か月に1度京大病院へかよっていますが、次の予約が2月の初めなのでそれまで医師の診察を仰ぐわけにもいかないのです。
 妻の友人の御主人がパーキンソン病で療養中のところ、歩行中に転倒、以来病状が悪化して寝たきりになったそうです。
 「転んだら大変よ。病気が悪化する。杖を持ちなさい」
 妻が話を聞いて猛然とすすめます。わたしも恐ろしくなって杖をもつことにしました。それまでは、杖を握ったその瞬間から一般人であることをやめて病人の仲間入りすることになる、と妙な意地を張って杖には頼らずにきました。だが、もう仕方がない。杖を突いて病人であることを天下にアピールすることにしました。
 昨日が杖つきデーの初日でした。いつものようにビーグル犬を連れて出発です。左手に犬のリードをもち、右手にステッキをもっておぼつかなく歩くのです。出会う人がみんな目引き袖引きしてわたしを見ている気がします。だが、これは初心者の自意識で、すぐに慣れました。あとは通行人がどの程度身障者に気を使ってくれるか、こっちが検査する気分です。
 十字路を2カ所渡りました。北から南へ渡るのが一カ所、西から東へ渡るのが一か所です。どちらもわたしは正面へ渡ろうとするのですが、
 左折車が強引に私のすぐ前に突っ込んできてアタマへきました。が、そのうちわけがわかりました。左折車はどちらもわたしがステッキを突いているのを見て「このジイサン。足が悪いのやろ。早う曲がらんと轢いてしまうで」と考えて、猛然と私の鼻先へ突っ込んできたのです。ほかの十字路でも試してみたのですが、結果は同じでした。ドライバーは足の悪いジイサンにけっこう気を使っていたのです。
 もっとカンゲキしたのは近くのゴルフ場へ行く自動車道路に沿った道を上る途中でした。その道は1車線で、自転車のすれ違うのがやっとなのです。ふだんわたしが犬をつれて歩いていると、自転車に乗ったオッサンやオバハンが何の挨拶もなくふらふらと追い越してゆきます。
 ところがこの日は違いました。追い越してゆくオッサン、オバハンがみんな「失礼します」「ごめんなさい」「すみません」等と挨拶してゆくのです。
 いやあ、びっくりしましたな。みんな足の悪い老人に遠慮し、挨拶してくれるのです。ここは暮らしやすい街です。茨木市民をわたしは見直しました。小さなシアワセを知りました。