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2017年5月10日 2:17 AM

認知症は役に立つ

り合いの大工さんに来てもらいました。小脳変性症が進行して私の階段
 の上り下りが危なくて仕様がないのです。手すりがないので本人よりも
 見ている側がシンドイらしい。妻に言われて手すりをつけにきてもらいました。
 小脳変性症は寝たきりになるまで10年ほどかかるらしく、今日明日の問題で
 はないのですが、発病以来4~5年になると体のフラツキがひどくなって妻に
 云われるまま大工さんに来てもらいました。
 大工さんは50代です。仕事のあとで茶飲み話をしたのですが、あそこの老人は
 脳梗塞で倒れたとか、あの家の老人は認知症で家族に迷惑をかけているとか、
 老人の会話は深刻なのが多く、あまり乗り気になれないのが厄介です。でも、
 そのうち大工さんが、
「認知症はいろいろ社会問題になってますが、認知症は最高の鎮痛剤やというこ
 とをもっとPRせなあきませんな」
 と云ったので、私も色めき立ちました。
 大工さんの話では先日まで某病院へ仕事で行っていたそうです。ある日そこの
 医師や看護婦の人たちと雑談会になって、
「認知症の患者さんってガンになりにくいのよ」
 と云い出す人がいて白熱した議論になったそうです。認知症の人が二重にガン
 を患っている例はごくわずかなのだそうです。ともかく何の病気でも、痛みを
 伴う場合は認知症の効果で脳神経が痛みを忘れることが多いと云うことです。
 北朝鮮の独裁者が「ソウルや東京を火の海にする」と云うたびにこの話を思い
 出します。核兵器なる危険極まりない兵器がガンの治療に用いられて有効だっ
 たりすることは真実ではないのかねえ。核兵器を一発爆発させたら、地震が消
 えてしまったりするのもわるくないね。

  • 中井一郎

    現在58才。パリーグアワー、サンスポ連載小説時代からファンです。
    15年ほど前に亡くなった父から、「大阪迷走記」を勧められて、今回3回目の読書中です。
    自分の年齢ともに味わいがいっそう増してきます。京阪沿線の地名が出てくるのも嬉しいです。
    本当に名作です。今後も数年おきに読み返していきたいと思います。先生にはこの時代の作品やプロ野球の作品をまた書いていただきたいと願っています。