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2012年10月9日 5:01 AM

軍国老年の歌

近ごろ、子供時代に覚えた軍歌や戦意高揚歌がしばしば頭に浮かびます。中国や韓国に喧嘩を売られるたびに、意識の底に埋もれていた愛国心が刺戟されるからです。

とうにわすれたはずの歌のメロディがまず頭にうかび、引きずられるように歌詞が出てきます。

子供の頃の刷り込みはほんとうに恐ろしい。本人が気づかぬまま無鉄砲な愛国心は生きていて、刺激されると威勢よく燃え上がるのです。たとえばこんな具合。

 

立つやたちまち撃滅の 勝鬨あがる太平洋
東亜侵略百年の 野望をここに覆す
いざ決戦の時きたる

 

歌詞を見るかぎり、あの戦争は列強の植民地となったアジア諸国を解放するための聖戦だったということになります。むろんそんな一人よがりの主張を支持するわけではありません。でも、植民地解放の一面があるのもたしかです。対中国はともかくとして、対米戦争はなんだかんだと、アメリカに挑発され、とくに石油の輸出を止められたのが大きな要因になりました。このままでは軍艦も飛行機も動けなくなる、いまのうちにやっちまえとの切迫感にかられて、やむなくハワイ空襲をやらかしたのが実相です。

 

「支那から軍隊を引揚げろ。でなければ石油も鉄材も止めるぞ」

 

という脅しにハイそうですかと応じられないのもわかります。なにしろ日本は中国で20万名の戦死者をすでに出していたのですから、総引揚げなど国民世論が納得するわけがなかったのです。

南方侵攻は石油獲得が目的でした。だが、副次的に植民地解放も目的の一つだったのも事実です。

そんなわけで、われら年寄りは軍国少年の思い込みを心に抱いています。最近の中国、韓国の手口をみると「いざ決戦の時きたる」と思わざるをえないのです。

もっともわれわれ世代はほぼ人生を終わっています。戦う力はありません。平和国家の恩恵に一番あずかったジジイどもが何をぬかすかといわれるだろうけど、政府のあまりに情けない対応を見るといらいらします。こんなことで良いのかしらん。

われらジジイ世代とは対照的に団塊世代およびもっと若い世代は、日教組による日の丸、君が代反対の自虐史観を植え付けられているはず。少年期のどんな歌が頭に刷り込まれているのでしょうか。アニメの主題歌か何か、あるいはCMソングなのだろうか。恥を申せばわたしも「せきすいハウス」や「いすずトラック」の歌をふっと口ずさんだりすることがあります。いま「AKB48」だかに熱狂している人たちの頭はCMソングで一杯なのではないだろうか。

話は変わるけど、昨夜京大の山中教授のノーベル賞受賞のニュースが伝えられました。反射的にわたしは週刊文春の記事を思いだしました。日本は人口一億人で20人近いノーベル賞受賞者をでしているが、中国は13億の人口がありりながら、反体制の運動家がただ一人ノーベル平和賞ををもらっただけ、という記事です。彼我の文明度の歴然とした」差をあらわす素晴らしいニュースでした。思わず口ずさんだのは

 

「ひとたび立てば電撃に 微塵と砕く真珠湾

香港破りマニラ抜きシンガポールの朝風に

いまぞはためく日章旗」

 

という戦意高揚歌です。よくやったね山中先生。戦意高揚歌がとたんに全国民への良質の激励歌になりました。