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2013年11月19日 1:50 AM

酒がダメなら肉でいこう

中高年になってからわたしはメタボ回避のため低カロリーを心掛けてきました。ところが昨今、老人はもっと肉を食べるべしという論を 散見します。
じっさい妻の母方の祖父も70代後半ながら毎日のようにステーキを食べて元気だったようです。バイタリテイあふれる財界人には肉好きの老人が結構いたらしい。わたしも低カロリー食では年々筋肉量が減り、しわが増えるような気がして、もっと動物タンパクをとりたい と思っていました。でも「カロリー取りすぎ=メタボ」の思い込みが強くて、動物タンパクの摂取には懐疑的でした。
ところが最近初代コロンビア、ローズ(80歳)がテレビで食生活を公開、うちの妻は大きなショックをうけたようです。
コロンビア、ローズ女史は現在も週に5日は200グラムのステーキを食べるそうです。おかげで若く見えるし元気そのものらしい。テレビ番組だから医師も出演してアルブミンだの必須アミノ酸だの肉食の効用をのべたそうですが、くわしいことはわかりません。でも、中高年期はメタボ回避が必須だとしても、それ以上に年をとると、今度は逆に充分な肉食が健康にプラスになるのはたしかなようです。
わたしは80歳、妻は75歳です。何歳になれば肉食が健康に良いのか線引きのはっきりしないのが難ですが、わたしたちは夫婦とも資格 十分のジジババだというわけで、さっそく肉食重視に切り替えることにしました。
妻が肉を買ってきました。200グラムのを2人前。ヒレ肉です。わたしはロースが好きなのですが、ロースは脂が胸に来ると妻がいうの で従わざるを得ません。買い物にゆく妻の役得というものです。
鉄板で焼いて食べました。妻は赤ワイン、禁酒中のわたしはノンアルコールビールを飲みながらの食事です。ともにけっこう健啖で200グラムなんてチョロイものでした。ふつうステーキ店では150グラムが標準なのですね。
明日もステーキが夕食です。明日はロースにする約束です。
稼ぎの良かった中年時代、わたしは北新地の「R」と云うステーキ店へときどきいっていました。べらぼうに高いけど、べらぼうに美味い店でした。まだ元気だった美空ひばりが大阪へくるたびに寄っていたようです。ある日、ガラガラした声を張り上げておしゃべりする女が いると思ったら、それが美空ひばりでした。10人以上取り巻きをつれて、たいそう威勢がよかった。なるほど東京住まいでも、美味い店はちゃんと知っているのだなあと感心しました.
アメリカの食事は不味いというけど、何十年か前大リーグのキャンプを見にフロリダへいったときは、フェニックスの町でゆきあたりばったりに入ったレストランのステーキはきわめて美味でした。たんに肉を焼いて塩胡椒をかけただけの調理だったけど、肉の美味いのには仰 天しました。野球もステーキもやはり本場には敵わんと思ったものです。
ローマのスペイン広場のレストランで食べたTボーンステーキは屋根瓦1枚ほどの大きさで圧倒されました。マスター曰く「日本人は小食なので半分にして出す」なんだかバカにされたようでした。イタリア女性が若いころはきれいなのに、中年以後はそろってビヤ樽みたいな 体形になる理由がわかったと思ったものです。
一番印象に残った牛肉は小学校6年の時、疎開先の農村で食べた牛肉です。ある日、昼食の時間に弁当を開いたら、わたしをふくめてクラス全員 が牛肉の味噌煮または塩煮のおかずでした。わけを聞いてみると、昨日村の農家の一軒が飼っていた牛を殺処分したので、村の全家庭がその肉を買って食べ、弁当にも使ったということでした。こんな美味い肉は初めて食べたと感激したものです。
わたしたち世代は子供のころろくなものを食べていません。腹さえ減ればなんでも山海の珍味だと知りつくしています。グルメ面をする同世代の人をわたしは信用できずにいます。それが証拠に今夜食べたヒレステーキも高価な{R}のステーキも同じように美味かったのです 。
でも余計な心配もあります。今夜の肉は脂を注射した肉じゃないだろうな。