負けじの大二郎 – 花かんざし

最新話
花かんざし(7)

そんなある日、深川の弥勒寺(みろくじ)へ大二郎、喜平次、新助は足をのばしました。むかしたびたび昼飯をとりに寄った本所元町の煮売屋の親父の三回忌なので、墓参りにいったのです。 お参りをすませ、三人が大工町にさしかかったとき […]

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花かんざし(1)

負けじの大二郎 捕物控 第二話       五月中旬のその日は朝から晴天でした。 大町大二郎は岡っ引の亀蔵と中間(ちゅうげん)の新助をつれて本所一帯の町廻りに出ていました。 そろそろ夏です。 […]

花かんざし(2)

遺体は町役人が指図して近くの回向院(えこういん)へ運びました。牢死人、行き倒れなどの埋葬、供養は回向院の役目です。界隈の変死者はすべて受けいれてくれます。 大二郎らは相生町の煮売屋で昼食をとったあと、午後の町廻りに出まし […]

花かんざし(3)

松屋甚兵衛が殺されてから二日後、下っ引らの聞き込みで以上のような事情がわかりました。 その夜、大二郎は亀蔵と、もう一人の配下の目明し喜平次を自宅へ呼んで下手人さがしの段どりを話しあいました。 大二郎は母の八重と二人暮らし […]

花かんざし(4)

二日後の夜、亀蔵と喜平次は、とまどった顔で大二郎宅へ報告にやってきました。 「いや、びっくりしましたぜ。世の中には世間受けの良い女衒なんてものがいるんですね。初めて知りました」 「まったくでさあ。甚兵衛をあしざまにいう親 […]

はなかんざし(5)

ひさと会うまえに大二郎は、浅草田町にある松屋甚兵衛の家をたずねました。亀蔵をつれています。 二人は柳橋で猪牙舟(ちょきぶね)に乗り、山谷堀でおりて日本堤を吉原へ向かいました。 長さ八丁の堀の左右には、稔りはじめた稲田が青 […]

花かんざし(6)

その日の夕刻、大二郎は両国橋の東の舟宿「佐野屋」をおとずれました。ひさに会うためです。 「調べにきたわけではない。ふつうの客として涼みがてら一杯やりにきたのだ。ただし、酌はひさにさせてくれ」 玄関へ出た女将に大二郎は申し […]

花かんざし(7)

そんなある日、深川の弥勒寺(みろくじ)へ大二郎、喜平次、新助は足をのばしました。むかしたびたび昼飯をとりに寄った本所元町の煮売屋の親父の三回忌なので、墓参りにいったのです。 お参りをすませ、三人が大工町にさしかかったとき […]